歯ブラシによる清掃は、歯の表裏や噛み合わせの清掃には非常に有効な方法であるものの、歯と歯の間の清掃には十分ではありません。隙間の小さい歯間部清掃には、デンタルフロスが有効です。また、隙間のある歯間部清掃には歯間ブラシが便利です。

デンタルフロスの種類🦷✨

図2：デンタルフロスの使い方

1. のこぎりのように前後に動かしながら、歯と歯の間に入れていきます。

2. 手前の歯の歯肉の中に糸が隠れるくらい入れます。

3. 手前の歯面に沿わせて、接触点まで掻き出します。

4. 奥側の歯についても同様に行います。

5. のこぎりのように前後に動かしながら糸を外します。

 

必見!デンタルフロスの選び方🦷✨

デンタルフロスは、糸を歯間に入れて清掃する単純なものですが、そのタイプや素材、さらにプラスアルファのものなど、多くの種類があります。歯の状態や使う人の好みによって、相性の良い製品はどれか、選び方をみていきましょう。

 

タイプで選ぶ🌱

デンタルフロスはロールタイプとホルダータイプの2つのタイプがあります。その違いは使い方ですが、特徴を理解して自分の歯にあったものを選びましょう。

 

初心者にもおすすめなホルダータイプ

プラスティックのハンドルに糸が固定されているのがホルダータイプです。ホルダータイプには糸がセットされるヘッドの形により種類があり、前歯に使いやすいF型と、奥歯用のY型があります。片手で使用できて扱いが簡単で、糸だけのロールタイプではうまくできない初心者やお子さんにおすすめです。

ただし、ホルダータイプは糸が固定されていて、角度や長さが調整できないので、歯並びの悪いところには難しいデメリットがあります。また、詰め物やかぶせ物ものなど治療した歯に引っ掛かり抜けなくなったり、詰め物が取れたりすることもあり、注意が必要です。

 

ロールタイプは歯並びの悪い方におすすめ

ロールタイプは糸だけを巻いたものがケースにセットされているもので、適当な長さにカットして使用します。コスパに優れ、取り回しがよいので歯並びの悪い歯や、詰め物など治療した歯のある方におすすめです。
ただ、デメリットとして、使い方には慣れが必要なため、効率よく歯間の清掃ができるまで時間がかかることがあげられます。また、外出先などでの使用には不向きでしょう。

 

 

糸の素材で選ぶ🦷✨

デンタルフロスに使われる糸の繊維には、素材としてナイロン、ポリエステル、ポリエチレンの3種類が使われています。それぞれに強さや使用感に違いのあるのが特徴です。

 

汚れの落ちやすいナイロン製

ナイロン製は、摩擦性が高く、汚れを取りやすい素材です。硬さも十分で切れにくいのですが、人によっては歯ぐきにあたったときに痛みを感じる人もいます。切れにくいナイロン糸を軸として、歯茎に優しく柔らかいポリエステル繊維をミックスさせた複合糸を使ったものがあります。これは、落ちにくい微細な歯垢や汚れの除去効果を高めたフロスです。歯間に絡みつく、しつこい汚れや歯垢をしっかり落としたい方におすすめでしょう。

ソフトな感触でケアできる:ポリエステル製

ナイロン製よりも摩耗性は劣りますが、柔らかく、歯茎にも負担をかけないポリエステル製。歯肉の縁下（歯が歯茎で隠れた部分）に、歯茎を傷つけずに、あまり痛みも感じることなくフロスをあてることができます。これは、歯周病の原因にもなる縁下の歯垢を取り除けます。

極細の繊維を束にして汚れを絡めとるので清掃性は十分ですが、力を入れすぎると切れやすいようです。年齢により歯茎が下がってきている方や、歯間ケアを痛みで嫌がる小さなお子さんにおすすめです。

細くて丈夫なポリエチレン製

ポリエチレン製はポリエステルよりも切れにくく、また、繊維がナイロン製よりも細くて強いのが特徴です。極細の繊維を束にした糸は細いため歯間に入りやすく、とくに歯間がせまい方やきつい方に適しています。ただ、細いので、歯の状態によっては汚れを落とすのにやや時間がかかります。

ポリエチレン製は、歯間ケアに時間をかけても苦にならない小さなお子さんや、歯並びの悪い歯が多く通常のフロスでは引っ掛かりや歯間に入りずらい方におすすめでしょう。

ワックスの有無・種類で選ぶ🦷✨

ロールタイプでは、ワックスの有無や、水分によって糸が変化する種類のデンタルフロスがあります。

歯間の通りにくい方にワックスあり

ワックス加工がされているデンタルフロスは、滑りやすく、歯間に入れるとき、スムーズに歯面を清掃できるのがメリット。デメリットは、ワックスなしのタイプに比べると清掃性はやや劣ります。しかし、時間をかければ、汚れ落ちは変わらないでしょう。とくに、歯間のせまい方やロールタイプを初めて使う方におすすめです。

清掃効果の比較的高いノンワックス

ワックス加工のないデンタルフロスは、ワックスありに比べ、摩擦力が高く、歯垢などの清掃性に優れているのがメリットです。デメリットは、歯間に入れるときに滑りにくく手間がかかるところ。

デンタルフロスの初心者では、歯間が狭いところや歯並びのよくない隙間に挟むには、慣れが必要でしょう。ロールタイプに慣れた方で、清掃効率にこだわる方におすすめです。